【生徒会役員対談】時を超えて繋がる「国府台への想い」——生徒会と同窓会が連携した問題解決の可能性と未来

千葉県立国府台高等学校同窓会では、母校の「今」を知り、卒業生としてどのような支援ができるかを探るべく、毎年、現役生徒会役員との意見交換を行っています。今年は自身も生徒会長を務めた経験を持つ同窓会理事長の高橋亮平(47期)がインタビューに行ってきました。
79期・80期となる現役生たちが直面している課題から、伝統の「鴻陵祭」への思い、そして同窓会への期待まで、対談の様子を記事にしました。
79期・80期の生徒会役員の顔ぶれと「国府台への愛着」
放課後の母校、千葉県立国府台高等学校(以下、国府台高校)の応接室に集まったのは、生徒会長の大山高虎さん(3年)、副会長の成嶋一博さん(3年)、会計の惣万拓海さん(2年)と土肥慎ノ佑さん(2年)、書記の北沢奏乃さん(2年)、監査の恩田学人さん(2年)と谷口琉さん(2年)の8名。自己紹介から始まった対談でまず印象的だったのは、彼らの多くが「国府台高校に入りたくて入った」という話でした。
中には2024年度から国府台高校に設置された「教員基礎コース」に魅力を感じ、将来は教育の道に進みたいと語る2年生も複数いました。時代は違えど「自由な校風と伝統」に惹かれて集まる生徒たちのアイデンティティは今も健在であるようです。
変わりゆく伝統と、変わらぬ「鴻陵祭」への情熱
現在の生徒会は、特に4月から9月までは「鴻陵祭(文化祭)」を中心に活動を行っているという話でした。
体育祭の復活は「長年の悲願」
そんな中で対談で、役員から「体育祭を復活させたい」という思いが伝えられました。かつての鴻陵祭は、文化祭・体育祭・ホームルーム発表会等が連動した一大行事でしたが、時代の流れと共に体育祭はなくなり、事実上学校行事として行われる球技祭が代替のように位置付けられているようです。 そんな体育祭を復活させたいという思いについて、「生徒提案事項にも毎年挙がってくる。動きたいけれど、どこから詰めていいか分からず足踏みしている」 そんな彼らの切実な声がありました。「同窓会で「鴻陵祭を文化祭だ」という人がいると、上記のような歴史から「鴻陵祭は文化祭だけではない」と言われる先輩方がいる」という話などを紹介すると、現役生たちはかつての鴻陵祭に体育祭があったことなどに驚いていました。
新しい形での体育祭を模索する現役生たちの挑戦を、同窓会としても見守っていきたいと思いますし、求めがあれば、かつての状況を共有したり、サポートしていくことなどもしていきたいものです。
制服改正はまだ校則改正できておらず、リボンは利用可にとの声も
今年の1年生から新制服となったことについても話になりました。
現在、3年生と2年生は従来の制服を着用していますが、1年生からは新しい「ブレザー」が導入されているそうです。「1年生のブレザーは本当にかっこいいと思う」「正直、ブレザーの後輩が羨ましい」という意見もありました。
「制服の変更に生徒の意見は反映されたのか?」という質問をしたところ、「制服の型自体は学校側で決定されましたが、ブレザーの胸に輝く『エンブレム』のデザインは、生徒から案を募集し、全校生徒の投票で決まりました。制服についても当時の先輩たちは意見を言ったと聞いているので、先輩たちの中には、自分たちの手で選んだという感覚は、少なからずあると思います」 とのことでした。学校主導で進んだような印象はありますが、「気に入らないことがあれば生徒や生徒会役員は生徒総会であげられるので、あげていないということはそれなりに新制服には納得しているのではないか」との意見もありました。
一方で、移行期ならではの課題はあるようで、現在の校則(生徒心得)が新制服に対応しきれていない状況のようだがと聞くと、そこは確かに直さないとという話にもなりました。
また、「男子はあまり制服にこだわりがないかもしれないけれど、女子からは『せめてリボンだけでも新しいものを使わせてほしかった』という声が出ています」とのことで、現役生たちは、新制服導入には一定の納得感を持ちながらも、生徒の声をどう反映させるかについても考えているようでした。
継承される「国府台の伝統」 『継承と発展のために』
昔の国府台高校の話が出てくる中で、国府台の伝統を象徴する冊子『継承と発展のために』は、現在も継続されているのかについて聞いてみました。
我々の代には3年に1回の発行だった『継承と発展のために』は、現在は毎年生徒会書記の手によって更新され続けており、最近ではPDF化もされ、デジタルと紙の両方で発行されているそうです。
国府台高校の生徒会では、学校説明会やオープンスクールに出席して説明しているほか、質問コーナーを生徒会役員で開いていると言います。また、新入生が入学すると様々な説明を生徒会役員で行っており、その際には、こうした『継承と発展のために』や『雑誌国府台』を活用し、部活動については勿論、委員会活動の仕方、鴻陵祭についてなどについて説明をしているそうです。

校舎の老朽化と「お金」のリアルな問題
対談が深まるにつれ、話題は避けて通れない「予算」と「設備」の問題になりました。
深刻な施設・設備の悲鳴
現役生たちが語る学校の現状は、色々な問題がありそうです。国府台高校では、校舎等の大規模改修工事が予定されており、2024年度に基本設計を実施し、今年2026年度から仮設校舎を建設し、校舎の改修工事を予定していたのですが、工事の開始時期が遅れ、千葉県教育委員会で調整を行っているものの工事期間については、いまだに未定の状況になっています。こうした校舎の改善に対する生徒たちの期待は高かったようで、その分、不満も感じているようでした。
現役の役員たちが特に話をしていたのが、夏場の体育館は酷暑で、エアコン未設置のため、3年生の演劇のPRは熱中症の危険と隣り合わせで廃止になりそうな状況だとのことでした。
この他にもトイレの老朽化については 一部使用禁止のまま放置されている箇所があり、学習環境として不十分だという意見や、プールが漏水しており、満水にしても7割くらいしか入らないので年間100万円近い水道代が損失となっているのではないかという話や、剣道場の床のワックスが剥がれ落ちてツルツルになっており、練習中に滑って怪我をするのが「恒例行事」のようになっているという話まで出ました。

「鴻陵祭を守るため」生徒会予算の苦渋の決断
今年度、生徒会は「文化祭の予算を確保するため」に、部活動費を340万円から270万円まで70万円削減するという苦渋の決断を下したそうです。本来は、部活動についても活性化させるべき予算ですが、部活動によっては吹奏楽部などでは毎月5,000円の部費を集めており、部費で解決できる選択肢がある一方、物価などの上昇もあり鴻陵歳予算が足らなくなってきている状況であり、鴻陵祭の費用はそこまで簡単に値上げをするというわけにはいかないということから、生徒たち自身の手で部活動費を削って鴻陵祭予算にせざるを得ない現状だったそうです。
国府台高校の生徒会費は入会金200円、1ヶ月400円となっており、これを上げてもらう選択肢はないのかななどといった話になりました。
公立校の予算には限界もあるため、同窓会の予算も切実な状況ではありますが、同窓生に呼びかけるなど、他に可能性も探っていくことも考えられるのではないかなどと話しました。
同窓会と現役生、新たな「共創」の形
今回の対談では、単に「困っているから助けて欲しい」ということだけではなく、生徒会から同窓会との新しい連携のアイデアもいくつか出されました。
鴻陵祭での「食販不足」をOB・OGの力で解決できないか
鴻陵祭での大きな課題として「食事の販売がすぐに売り切れてしまう」ことが挙げられているそうです。これに対し、「飲食店を経営しているOBなどにキッチンカーを出店してもらえたら」という具体的な提案もありました。 同窓会でも鴻陵祭の際には応接室で出展しており、調理は難しくても、仕入れて販売するだけであれば、学校側が認めてくれれば可能性はあるのではないかという話もしました。例えば、同窓会と生徒会が連携して鴻陵祭で運営するのであれば、同窓会としても非常に魅力的なプロジェクトになるのではないかと思いました。
ITと専門知識のバトン
参加した2年生の役員からは「文化祭の待ち時間を表示するアプリを作りたい」「AIを使って効率化したい」という先進的なアイデアも出されました。「同窓生には様々な分野で活躍する方々がいる。知恵を貸してくれる先輩もいるのではないか」と伝えました。
さらに、フリマアプリの活用で生徒たちが販売している学校などもあることなど、先進的な学校での取り組みも紹介したほか、鴻陵祭での同窓会・生徒会合同ブースの設置など、自分たちで予算を確保するための仕組み作りについても議論が及びました。

あとがき:卒業生の皆様へ
今回の対談を通じて感じたのは、時代は変わり、スタイルなどは少し変わったものもあり、同窓生からは「少し物足りない」、「自分たちの頃は」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、鴻陵生や生徒会役員たちは、置かれた環境や状況の中でも彼らなりに決して下を向かず、自分たちの学校をより良くしようと考えようとしているように感じました。
彼らが求めているのは、同窓会へ単に寄付金が欲しいと求めているわけではありませんでした。 「かつて、先輩たちはどうやって学校を動かしたのか」 「この問題を解決するための知恵を貸してほしい」 そんな、経験に基づいたアドバイスや、社会人としてのネットワークについても求められているように感じました。
校舎は古びても、一方で積み重ねられた伝統と、多くの卒業生がいます。国府台高校には80年の歴史があり、各界で活躍する多才な卒業生がいるはずです。
勿論、生徒たちも学校側と調整しながた色々と検討していくことになろうかと思いますが、同窓会では、今後も生徒会との定期的な対話を続け、生徒会から具体的な話があれば、金銭的にはかなり厳しいお財布事情ではありますが、様々な形での支援を模索していきたいと思います。卒業生の皆様におかれましても、母校の現状に関心をお寄せいただき、現役生たちの「盾」となり「追い風」となるご協力を心よりお願いします。

